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お正月に実家にあった本を借りてきました。
登山家山野井泰史さんの“垂直の記憶”という本です。
山野井泰史さんは無酸素で8000m級の山に登る世界でも有数の登山家です。
2002年秋、ヒマラヤのギャチュンカン北壁の単独登頂に成功されました。しかしその帰路に雪崩に遭い奇跡とも思える生還を果たされましたが重度の凍傷のため両手及び右足の指計10本を失いました。
山野井さんのすごいところは
それからまたなくした指でトレーニングを始められ
2005年にはボタラ北壁完登を果たされました。
http://www.evernew.co.jp/outdoor/yasushi/yasushi1.htm
世の中にはすごい人はいっぱいいますが
この人は本当にすごいの一言です。
他に言葉が見当たりません。
この本は7章で世界の難関と言われる山の登頂記録が記されていますが
第7章ギャチュン・カン北壁の記録はすさまじいです。
夫妻で何回も雪崩に巻き込まれ
悪天候の中、最後はほとんど飲まず食わず
というかもはやからだが何も受け付けず嘔吐しながら
一時は視力まで失いながらも奇跡的に生還されました。
ザックを担ぐ体力も無くなり
最後の日はツエルトもシュラフも無いビバーグ!
二人で胃液を吐いている、と淡々とした筆致
死と隣り合わせと言うか
もうすでにからだの一部が死んでいる状態とも言えます。
生への執着が生還させたのか?
しかし本の中で彼は
自分は山で死んでもよい人間の一人と語っています。
多くの著名な登山家は山で死んでいますが
彼も 覚悟が出来ている と毅然と言い放っています。
りすのやまのぼり
Re:りすのやまのぼり